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彼女のため生まれた 浦賀和宏 [小説・漫画]

母親が刺殺されたとの知らせによってフリーライターの桑原銀次郎は
数カ月ぶりに浜松に帰省した。
犯人は銀次郎の高校時代の同級生の渡部常久。
葬儀の準備の中、殺害動機は銀次郎の過去の罪が原因だったのだと渡部の姉から聞かされる。
まったく身に覚えがない話に戸惑う銀次郎は事件を調べだすのだが…
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医療物だった「彼女の血が溶けていく」の続編の今作は
非正規雇用、ニート、結婚難民と、かつての歳相応の「普通の大人」になるのが
ともすれば難しい現代社会の中に潜む羨望と絶望のお話。
ネタバレ無しの感想としては二転三転する事実に翻弄され続けた最後に迎える静寂の中で
哀哭するエピローグの切なさが際立つ実に浦賀らしい作品でした。

やっぱり、浦賀さんはルサンチマン書かせたら上手い!
終盤で真犯人が語る狂気としか言いようのない動機と行動に、
あり得ないwひくわーwwと思いつつも、独身者としてはもう実に耳が痛すぎる事柄なので、
ウチでもそう思ってたら…と思わずにいられないのが恐ろしい('A`;)まるで呪いだわ
そういえば浦賀さんって既婚者だったけかな…
独身でこの作品を書き上げるのは相当Mすぎると思いますw


あと登場人物名にサトミ、葵、常久、健吾、信介と既刊別作品と同名のキャラが
この作品にも登場してるんですよねぇ…
コナン・ドイルはシャーロック・ホームズの全物語の中で
母親と同じメアリという名の女性を9人も登場させては、その都度ひどい目にあわせてるのですが
浦賀さんも相当多い方かと。
以前、懇話会で名前は単に短大時代の友達から拝借してるだけで
作品が違えば関連性は無い、とはお聞きしたのだけど読者には名前って
かなり重要だと思うんですよねぇ(´・ω・`)

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kemm

お久しぶりです。浦賀さんは知りませんでした。
相変わらずいろいろ読んでおられるのですね。
by kemm (2013-10-15 06:24) 

夏音

>シマリスさん
niceありがとうございます

>kemmさん
独特のアクの強い作風でちょっとオススメしにくい
作家ですがコアなファンも多いんですよ
by 夏音 (2013-10-16 21:34) 

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