百鬼夜行 陽 第拾六夜 「墓の火」 [京極夏彦]
オール讀物2010年2月号掲載
京極堂シリーズのサブエピソード集「百鬼夜行 陽」第16話目の 「墓の火」は
2006年9月発売された「邪魅の雫」の巻末に題名が発表されてから
2010年いまだ未発売の「鵼(ぬえ)の碑」の前日譚でした。
2007年末のインタビューで舞台は栃木だとは判明してたのですが
やっと…やぁぁぁぁっと「鵼の碑」の姿がチラリ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
以下ネタバレと妄想だらけの感想
「あらすじ」
薬剤師の寒川秀巳(さむかわ ひでみ)の
父は植物学者として昭和9年に日光の国立公園化選定準備調査団として
日光に訪れていたが人知れず崖から落ちて
死体で発見された。
息子宛に死ぬ前日に投函されていたと思われる手紙には
「昨日、厄介な物を発見した。これは大いに厄介である。」との一文が
昭和28年初秋、転落現場である御堂山の崖を
当時の案内だった桐山寛作と、昭和9年に汚職を調べていた新聞記者の親が
何者かに殺害されたという仏師の笹村市雄とともに
奥深い山道を歩き、寒川秀巳は初めてたどり着いたそこには
大きな、古い、朽ち果てた、苔むした碑があった
碑は青白く、幻妖な光を放っていたのを見て
寒川はそれが父のいう「厄介なもの」であると直感する
これが後日、日光で起こる不可解な事件の契機だった。
妖怪好きとしてはこれまでのマイナーな妖怪名だった既刊とは
違って比較的にメジャー所なヌエを選出したのが
意外で不思議だったのですがやっと腑に落ちました
山岳修験道、幕府の東照宮、保養観光地と時代によって変化し、
三山三仏三社同一という日光の特殊な宗教事情と
猿の頭、虎の手足、蛇の尾を持つ妖怪ヌエとが
単純な二元論ではない複合同一体のテーマを嫌でも予感させてくれます(・∀・)多分
こちらはヌエの海洋堂製の食玩。
久しぶりに触ったらPVC材質劣化で表面がベタベタ('A`)ショック
それにしても、妖しく光る碑…
比喩や怪異、または寒川の幻視と思わせて
得意の実際に発光していたのでは?、とまず思ってしまいます。
天然記念物である貴重種のヒカリゴケ、あるいは発光物質を持った植物の発見とか。
文化財保護の発見となると観光地として開発できなくなるから云々……はベタかしら
多種混合体のヌエの示唆から
植物でも動物でもない未知の粘菌とかも捨てがたい…
植物学者の父が「厄介」だと書き留めたのがすごい気になるなぁ
プレリュードの餌与えられたから考えるのが止められない止まらない
(゜∀゜*三*゜∀゜)コレはコレで辛いなw
これまで「鵼の碑」の発売遅延は京極さんの仕事量の多さや、
講談社から文藝春秋への出版社変更の一件なども考えられたけど、
蛍の発光システム解明されたのが2006年春、
オワンクラゲから発光物質を抽出成功したのが2008年秋と
執筆中に生物の発光について新しい情報が出たので
内容修正で時間かかったのでは?とさらに妄想してしまいました
あぁ早く本編を読みたい!
ここ数年は毎年思うけど今年こそ出版されますように(-人-)
小学校の時だったか吉見百穴で光ゴケを見たのを思い出しました。
陸上の植物で光るものは珍しいですよねー。
そういえばアバターでは幻想的な光る森が出てましたが、金に目がくらんだ人間には、そんな物には厄介さは微塵も感じない様ですねー。
by Hyatt (2010-01-24 00:20)
そ、そんなフィギュアがあるんですか!
キモカワイイですね。
妖怪っておどろおどろしいけども、どこか憎めないところがありますよね。
いわゆるポケモンの先祖みたいな…?
by シェパード (2010-01-25 18:03)
>しまどっちさん、kohtyanさん
nice!ありがとうございます
>Hyattさん
映像や情報では知ってても肉眼での経験とは貴重ですね(゚∀゚)
社会科見学とかででしょうか?
千葉県は醤油の産地らしくキッコーマンの工場見学して
お土産に卓上醤油さしをもらったんですけど…喜ぶのは母でしたw
>シェパードさん
2000年発売ともう10年前の食玩です
>ポケモンの先祖
そうなんですよ鋭い!
個々に特殊な能力を持ち怖いけど人が制御できる何かしら
弱点やちゃんと対処方法があって
さも昔からずっと伝わってるような素振りをしてる
キャラクターというのが妖怪の一面なのです
by 夏音 (2010-02-01 23:52)
>kiyoさん
nice!ありがとうございます
by 夏音 (2011-05-25 00:08)