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南極(人) なんきょく かっこひと/京極夏彦 [京極夏彦]

京極夏彦さんの短編小説集で
長い間書籍化されてなかったのですがいよいよ発売されました。

1997年春から文芸誌「小説すばる」に3本掲載されて以来、
ぱったりと止まって
10年後の2007年から3本発表された作品で
本にするにはそれでも足りなかったのか
別口の「こち亀」とのコラボ企画で執筆した「ぬらりひょんの褌」と
書き下ろし1本を追加。
一冊の書籍になるまでこんなにもかかるとは(´Д`;)


各タイトルこそ小説や漫画のパロディですが
「こち亀」と「赤塚不二夫作品」コラボ企画物以外は
中身は関係ないドタバタギャグ漫画を小説にした感じで
感想と言うならひたすらにくだらない、ホントくだらない。


同じく京極さんのデブギャグ小説「どすこい(仮)」は
まだ、ミステリー的な仕掛けや
でたらめな作品達を最後は総括して怪談に見事落としてたのだけど
これはもう全身全霊嘘偽り無く本気のギャグ小説なので
とても他人に進められませんw


「ぬらりひょんの褌」では昭和27年が舞台である
京極堂シリーズ登場人物達の平成時代の
今の様子が書かれてて大変興味深いのですが、
アニメや映画で興味持ったり、直木賞作家だからといって
もしも初めて手にする京極作品がこの本でないよう心から祈りたいです(-人-)

アマゾンのレビューはいったいどうなることやらww


変人装丁家(褒めてます)祖父江慎さんの装丁もユニークな所。
なぜか紐の栞が四本もあってそのうち一つは白…
南極(人)紐栞.jpg(右ページのイラストは本物、秋本治さん)
表紙に描かれている主役のオヤジ南極夏彦の特徴の
すだれハゲを表現してるんですねw白は白髪w

こういう馬鹿(褒めてます)やれるのは
祖父江さんならです、さすが。

あと、作品ごとにノンブルの位置やフォントが違うのでとにかく読みにくい。
この読んでいて湧き上がる苛立ちは
作中で南極夏彦に対峙した人の苛立ちを表現してて
さぞかし狙いなんだろうなぁ…


祖父江さんは「どすこい(仮)」の時も油紙のような特殊な印刷で
力士のねっとりした脂肪を表現したりと
どすこい(仮)油紙.jpg
評判が悪かったそうですが
造本で本の内容を思わせるこういう仕掛け心、大好きです。


あと、「裏大極宮」に書店販売用のサイン本の事が。
書き添えられてる妙な一言の件はともかく(えー
「南極夏彦」名義のサインだったとはw
よく見たら通例の「御祓済」が「御笑種」になってるし…こってるなぁw

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夏音

>Morimoさん
niceありがとうございます!
by 夏音 (2008-12-22 19:57) 

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